研究課題
前年に引き続き、クロマグロ養殖生簀網に付着したフタエラフサゴカイ(住血吸虫Cardicola orientalisの中間宿主)を7月から12月まで毎月採集し、中間宿主におけるC. orientalis寄生の季節変化を調べた(今回は養殖場の都合で調査地点は異なる)。その結果、寄生率は毎月10%前後(7.8%~13.1%)とほぼ一定していた。7月と8月には寄生していたゴカイには幼若なスポロシストが多かったことから、新たな寄生が夏に起こったと考えられた。また、前年では冬に寄生がほとんどみられなかったが、今回も冬期に寄生率に変化が見られなかったということは、冬にはフタエラフサゴカイへの新たな寄生は起こらないことを示唆している。クロマグロ養殖場周辺で6メートルのロープを約1年間垂下してC. orientalisの中間宿主であるフタエラフサゴカイの付着状況を調べた。水深1メートルごとのロープ上の付着数を調べた結果、水深0~5メートルまではロープ3本の平均付着数は2.3~6.0個体であったのに対し、水深6メートルでは1.0個体で、水深5メートルまでに多い傾向がみられた。水深が深い部分には二枚貝等が多く、中間宿主ゴカイはホヤやコケムシ類が付着している水深部に多くみられた。また、得られたゴカイは最大で 4 cm 程度で成熟していた。このことから、フタエラフサゴカイは約1年で成体に発育することが示された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal for Parasitology
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doi.org/10.1016/j.ijpara.2020.04.006