研究課題
(1)入会の歴史的資料を用いたラージN研究では、岩手県の部落有林野統一関係資料の分析枠組みの検討を進めた結果、部落有林野における人工林造成が全国的にみても早い段階から実施されていた地域であるという特徴があることなどが分かった。秋田県の入会林野整備計画関係資料のデータ入力については、鋭意作業を進めたものの全体の3分の1ほどが未入力のまま残った。一方で、この秋田データのコーディング方法を検討し、1次的なコーディングマニュアルを作成することができた。今後はこの1次コーディングマニュアルに従ってコーディング作業を進める予定である。また、岩手・秋田に共通する研究枠組みを整理するために、東北地方の入会林野の所有と利用の変化の特徴を整理した。その結果、同じ東北地方においても、稲作向けの緑肥利用が中心だった地域と牛馬向けの秣利用が中心だった地域とで所有構造とその変化に違いがあることなどが分かった。(2)岩手県を対象とした事例研究では、「小繋事件文庫」の資料目録を改訂し報告書『岩手入会アーカイブ「小繋事件文庫」所蔵・受贈文書資料総目録基本台帳』を出版した。また、秋田県を対象とした事例研究では、新たに収集を進めた「山林原野其他原由取調書」と「入会林野整備計画資料」の両方に掲載されている集落を探したものの、一致する集落は見つからなかった。(3)数理モデル研究では、ゲーム理論によるモデル化を検討したものの、利用圧を決める要因や利害対立の要因について情報が不足していたため、モデル化には至らなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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