フィールドテストによる検証と解析を実施し、カメラの振動を防止する方法を選定した。さらに樹種やサイトを変えたデータを追加取得し、ブラインドエリアの変化とその削減のための計測条件のバリエーションを増やすよう検討し、条件の違いによる測定条件の違いを検討した。UAV上空データ及び車載や人による地上データからは、特にSLAMアルゴリズムの検討を行なった。樹木など植物を対象にライダー測定を行い、そのデータをSLAMによって位置合わせする場合、各フレーム間での対応点の同定が必要になるが、樹木では対応点が必ずしも明確でない場合があり、そのためSLAMアルゴリズムが異なると、樹木点群データに違いが生じる。そこで、複数のアルゴリズムによる検討と、対応点の探索アルゴリズムも複数使用し、最適なアルゴリズムを確認できた。SLAMの検討と測定条件、Ω指数の検討をあわせることで、上空、地上にて樹冠の漏れを少なくする条件を検討することができた。 植物3次元画像への植物生理情報2次元画像の合成法については、マルチスペクトル画像からクロロフィル濃度を表す樹木の3次元画像を生成する方法を用い、樹種による違いと、季節変化を測定した。季節変化によってクロロフィル量の分布がかなり異なり、樹木が周辺環境に順応する様子を確認することができた。サーマル画像との合成については、リファレンスを利用しながら、気孔コンダクタンスの3次元分布を求めることができ、蒸散に関わる植物特性とその応答を本方法で捉えることができることがわかった。
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