研究課題/領域番号 |
17H03908
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生産科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辰巳 隆一 九州大学, 農学研究院, 教授 (40250493)
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研究分担者 |
水野谷 航 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (20404056)
古瀬 充宏 九州大学, 農学研究院, 教授 (30209176)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 筋線維型 / 遅筋型筋線維 / 筋幹細胞(衛星細胞) / Sema3A / 筋の初期成長 / アゴニスト / 食品機能性 / 食肉生産科学 |
研究成果の概要 |
骨格筋の筋線維型(速筋型, 遅筋型)組成は食肉の品質(“キメ”の細かさや脂肪交雑の程度など)や栄養特性を決める重要な要素であるが、その制御機構は不明である。これまでに、筋損傷・再生の過程で筋幹細胞が合成・分泌する多機能性制御因子Sema3Aが筋線維型を初期決定することを見出した。本研究では、動物の出生後の筋初期成長期においてもSema3A→細胞膜受容体→ myogenin/MEF2D→遅筋型myosinからなるシグナリング軸によって遅筋型筋線維の形成が誘導されることが明らかになった。また、可食性ポリフェノールであるクロロゲン酸の摂取によって遅筋型筋線維形成を促進できる可能性を見出した。
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自由記述の分野 |
筋幹細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の出生後の初期成長期の筋線維型を制御する新奇分子機構、即ち、筋幹細胞合成・分泌因子Sema3Aに依存的なシグナリング軸(Sema3Aリガンド→細胞膜受容体neuropilin2/plexinA3複合体→ myogenin/MEF2D転写制御系→遅筋型myosin)を発見した。また、Sema3Aの細胞膜受容体を活性化する食品成分としてクロロゲン酸などを見出し、栄養機能学的に家畜・家禽の遅筋型筋線維形成を促進できる可能性を提示した。これらの研究成果は、高品質の食肉・食肉製品の生産システムの構築に資する他、健康寿命の延伸を目指す健康科学、および加齢筋医科学やスポーツ科学などにも貢献が期待される。
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