研究課題/領域番号 |
17H03909
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
井上 亮 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70443926)
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研究分担者 |
尾関 基行 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (10402744)
川崎 淨教 香川大学, 農学部, 助教 (30739206)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ブタ / 初乳 / エキソソーム / 免疫細胞 |
研究実績の概要 |
本年度は初乳中エキソソーム濃度の測定、エキソソーム中のmiRNAの解析を行った。10頭の母豚から採取した初乳からエキソソーム濃度を測定後、miRNAを抽出し、リアルタイムPCRによって既報から選抜した5つのmiRNAの定量を行った。その結果、産歴に関係なく、初乳中のエキソソーム濃度は個体によって異なることがわかった。一方、定量した5つのmiRNAの構成はいずれの個体でも類似しており、miR30a-5p及びmiR30d-5pが全ての個体の初乳中エキソソームにも多く含まれていた。 また、予備試験により確認されていた初乳中エキソソームによる仔豚白血球の細胞傷害性T細胞増殖(または分化)促進効果を十分なN数の母豚及び仔豚でも確認することができた。 さらに、昨年度技術を確立したSLAの次世代シーケンス解析により、初乳摂取後の仔豚の血液、臓器中のSLA解析も行った。しかしながら、仔豚臓器または血液から検出されたSLAは仔豚の毛根のものと同じであり、母豚のもつSLAのひとつ、種ブタのSLAのひとつのみであり、母豚由来の初乳細胞がもつと考えられる母豚の別のSLAの存在は確認できなかった。このことから、1.初乳中細胞は仔豚に移行しない、2.仔豚に移行する初乳中細胞は母豚のSLAパターンを反映しない特殊な細胞である、3.移行細胞が少なく検出感度が十分ではない、の3つの可能性が考えられた。間接的にではあるが、様々な研究により初乳中細胞が仔豚に移行することが示唆されているので1の可能性は低いと考えられる。次年度は2と3の可能性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの遅れは取り戻せたと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおりの研究を進めるが、本年度の研究によりいくつかの興味深い現象を発見した。そのため、この興味深い現象についても検証を進める。
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