研究課題
本年度は黄色ブドウ球菌が好中球を皮膚へと誘導するために必要となる、菌の細胞壁分子の同定を試みた。菌の内訳は、Protein A遺伝子(spa)欠損株(M0107),壁タイコ酸 (WTA) 合成酵素遺伝子(tagO)欠損株 (T174),WTAのD-alanine修飾蛋白をコードするdltA遺伝子欠損株 (M0793),糖脂質合成酵素遺伝子欠損株 (M0875),リン脂質合成酵素遺伝子欠損株 (Nl-1),細胞壁修飾酵素遺伝子(srtA)欠損株 (M2316),リポタイコ酸合成酵素遺伝子(ltaS)欠損株 (M0674/pM101),M0674/pM101株にltaS遺伝子プラスミドを相補した株 (M0674/pM101-ltaS),ペプチドグリカン修飾酵素遺伝子(oatA)欠損株 (T002),リポ蛋白の脂質修飾酵素遺伝子(lgt)欠損株 (T013),ペプチドグリカン加水分解酵素遺伝子欠損株 (Nl-43),ペプチドグリカン加水分解酵素遺伝子欠損株 (JT1304),マンガン結合性リポプロテイン遺伝子欠損株 (M0587),WTAのα-GlcNAc修飾酵素をコードするtarM遺伝子ならびにspa遺伝子の同時欠損株 (T790),WTAのβ-GlcNAc修飾酵素をコードするtarS遺伝子ならびにspa遺伝子の同時欠損株 (T803),tarM, tarSならびにspa遺伝子同時欠損株 (T807)であった。メスのBALB/cCrSlcマウスの左右耳介内側にテープストリッピング法を施して角質層を部分除去し, 前述の菌株を塗布してその6時間後に病理組織学的解析を行った。その結果、M0107株およびNl-1株と塗布した耳介では,膿疱を有する切片数が他の株を塗布した耳介よりも少ない傾向にあった。以上の結果から,黄色ブドウ球菌の細胞壁および細胞膜に存在するProtein Aおよびリン脂質が,表皮への好中球遊走に関与する可能性が示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Research in Veterinary Science
巻: 130 ページ: 48-51
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