本研究では、MuERV-L陽性細胞に含まれることが推定される「真の全能性細胞」を同定することを目的として研究を行った。その結果、MuERV-L陽性細胞を効率よく誘導する培養条件を見出した。また、アスコルビン酸はMuERV-L陽性細胞の誘導を促進し、インスリンは抑制することを明らかにした。遺伝子発現解析や阻害剤を用いた実験から、MuERV-L陽性細胞への変換にはエネルギー代謝経路が解糖系から酸化的リン酸化に変換されることが重要であることを明らかにした。さらに、MuERV-L陽性細胞の中には、全能性を有する卵子に特異的な構造であるLipid dropletを持つ亜集団が存在することを見出した。
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