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2019 年度 実績報告書

C1微生物のレアアース依存型細胞機能を活用した新奇な作物生育促進技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H03949
研究機関岐阜大学

研究代表者

中川 智行  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70318179)

研究分担者 清水 将文  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60378320)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードC1尾生物 / レアアース / 植物生育促進
研究実績の概要

本年度は、まず最初に昨年度完成できなかったC1微生物のREEによる細胞機能の活性化に関わる遺伝子の同定をRNA seq法を用いて同定した。REEにより発現が有意に変動する遺伝子として低アフィニティー型K+ポンプkdpクラスターの遺伝子群を同定した。これら遺伝子群の発現量はREEにより有意に上昇していることを見出した。また、REEによる刺激により細胞内K+濃度が有意に上昇していたことから、REEによるC1微生物の生育の活性化はK+の取り込みによる細胞内K+濃度の上昇により制御されているものと結論づけた。これにより、メタノール代謝以外にREE依存的なC1微生物の生育促進の新たなメカニズム解明の糸口を見出すことができたものと考えている。また、C1微生物のREE依存型メタノールデヒドロゲナーゼ(XoxF)の機能を詳細に検討し、そのSAXS像の解析を含め、酵素化学的諸性質も示すことができた。
一方、C1微生物のREEによる植物生育促進機能の解析を進める目的でシロイヌナズナの生育を有意に促進させるC1微生物株の選抜を行った。私たちの研究室のC1微生物の保存菌株を用いてスクリーニングをしたの結果、AS15株とAS24株がシロイヌナズナの生育を有意に促進させ、両株ともREE依存的メタノール代謝を行い、AS24株はREEメタノール代謝の方が極めて良好な生育を示すことが明らかとなった。つまり、両株はREE依存的な生育をもつことでシロイヌナズナの生育促進を促している可能性を示すことができた。つまり、REEとC1微生物、さらには植物の成長促進のつながりを示すことができる初めての系を構築することができたと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度、実施できなかったRNA seqを本年度の初頭に行うことができ、REEに対するC1微生物の応答を観察でき、さらにはXoxFの機能を示すこともできたため、順調に研究を進めることが行うことができた。
また、新たにシロイヌナズナの成長促進作用を持つC1微生物をスクリーニングすることができ、そのうちの1株がメタノール生育にREEを要求する株であったことから、私たちの目指すREEとC1微生物ー植物の解析を行う系を構築できたため、最終年度に繋がる結果を示すことができたため、順調だと言える。

今後の研究の推進方策

REEに対するC1微生物の応答を観察でき、REE依存的に誘導される因子低アフィニティー型K+ポンプkdpクラスターの遺伝子群が同定されたことから、これら遺伝子クラスターによるC1微生物のREE依存的生育促進の分子機構を証明していく。
また、新たにシロイヌナズナの成長促進作用を持つC1微生物をスクリーニングすることができたため、そのREE依存的メタノール生育と植物の成長促進機構のと関わりを示していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preference for particular lanthanide species and thermal stability of XoxFs in Methylorubrum extorquens strain AM12020

    • 著者名/発表者名
      Wang Lun、Hibino Ayumi、Suganuma Souya、Ebihara Akio、Iwamoto Satoshi、Mitsui Ryoji、Tani Akio、Shimada Masaya、Hayakawa Takashi、Nakagawa Tomoyuki
    • 雑誌名

      Enzyme and Microbial Technology

      巻: 136 ページ: 109518~109518

    • DOI

      10.1016/j.enzmictec.2020.109518

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Lanthanide-dependent methanol dehydrogenase from the legume symbiotic nitrogen-fixing bacterium Bradyrhizobium diazoefficiens strain USDA1102019

    • 著者名/発表者名
      Wang Lun、Suganuma Soya、Hibino Ayumi、Mitsui Ryoji、Tani Akio、Matsumoto Takashi、Ebihara Akio、Fitriyanto Nanung Agus、Pertiwiningrum Ambar、Shimada Masaya、Hayakawa Takashi、Nakagawa Tomoyuki
    • 雑誌名

      Enzyme and Microbial Technology

      巻: 130 ページ: 109371~109371

    • DOI

      10.1016/j.enzmictec.2019.109371

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ランタノイドSmはMethylorubrum属細菌の低栄養環境下での生育を促進させる.2019

    • 著者名/発表者名
      水野洸介, 原田雄斗, 岩本悟志, 島田昌也, 早川享志, 中川智行.
    • 学会等名
      第71回 日本生物工学会 大会
  • [学会発表] ホウレンソウのポストハーベストにおける菌叢変遷と鮮度劣化へのPPFMsの関与.2019

    • 著者名/発表者名
      Wang Lun, 繁原安美, 阪口由佳, 谷明生,中野浩平, 島田昌也, 早川享志, 中川智行.
    • 学会等名
      第71回 日本生物工学会 大会

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公開日: 2021-01-27  

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