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2019 年度 実績報告書

ポテンシャルに対応した多摩川河川敷の目標とする自然の変化と合意形成

研究課題

研究課題/領域番号 17H03960
研究機関明治大学

研究代表者

倉本 宣  明治大学, 農学部, 専任教授 (60287886)

研究分担者 知花 武佳  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10372400)
五味 高志  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30378921)
伊東 静一  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員 (30792832)
岡田 久子  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (40460000)
金子 弥生  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60413134)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード河原 / 礫 / 出水 / カワラノギク / カワラニガナ / アンケート / ステークホルダー / 合意形成
研究実績の概要

多摩川河川敷の環境の潜在的な可能性の自然科学的な研究と河川敷のあり方についての社会的な合意形成の手法の研究を統合して新たな河川管理の方向性を見いだすことを目的として、総合的な研究を行ってきた。
研究最終年度の2019年10月の台風19号によって、多摩川において大規模な出水が発生し、多数の被害が発生した。羽村市宮ノ下運動場をはじめとする多くの河川敷グランドが土砂の堆積や基盤の侵食などの被害を受けて、長期間使用不能になった。多摩川の自然保護のシンボルであるカワラノギクの最後の野生個体群は全滅し、学名に多摩川を冠するカワラニガナの個体群もわずかに2つの小さい個体群を残して消滅した。出水によって礫河原が広がったものの、これらの礫河原固有種は回復せず、外来種の繁茂が目立った。このように、多摩川河川敷の環境の潜在的な可能性は大幅に低下しており、本来の礫河原に戻すことはきわめて困難である。
調査結果をビジュアルな報告書にまとめて市民に読んでいただいたうえでアンケートを行った。多くの市民は河川敷を礫河原に戻すことを望んでおり、その困難性についての理解を得ることはかなり困難であることが判明した。自然科学の研究成果を市民が活用するためには研究成果を単にわかりやすく示すだけでなく、印象的かつ象徴的に示すようなさらに踏み込んだ示し方が必要である。アンケート結果を整理して、河川管理者である国土交通省京浜河川事務所と地元自治体である福生市とあきる野市に報告したところ、行政の反応にも多様性があることが見て取れた。
研究全体を通して、自然科学的な研究成果を基に社会的な合意形成を行っていくことのむずかしさと必要性を再確認した。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 多摩川の環境変化に対応したカワラノギク個体群の再生活動のあり方2021

    • 著者名/発表者名
      倉本宣・Wu Ximei・伊東静一・岡田久子
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究 増刊 技術報告集

      巻: 11 ページ: 12-15

    • 査読あり
  • [学会発表] 生物多様性を研究する大学研究室と地域社会の関2021

    • 著者名/発表者名
      倉本宣・三島らすな・ウシメイ
    • 学会等名
      日本生態学会
  • [学会発表] 2019年台風19号による多摩川河川敷の植生の変化と再生2020

    • 著者名/発表者名
      倉本宣・Wu ximei・伊東静一・岡田久子
    • 学会等名
      湿地学会
  • [学会発表] Environmental potential and land-use changes in the floodplain of the Tama River, Tokyo, Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Kuramoto,N., Okada, H., Ito, S., Chibana, T., Wu, X.
    • 学会等名
      British Ecological Society
  • [学会発表] Aster属の絶滅危惧種、礫河原のカワラノギクと干潟のウラギクの比較生態学2020

    • 著者名/発表者名
      倉本宣・三島らすな・岡田久子・伊東静一・Wu ximei
    • 学会等名
      応用生態工学会
  • [図書] くにたち周辺さとやま植物2020

    • 著者名/発表者名
      倉本宣
    • 総ページ数
      48
    • 出版者
      野原の通信社
    • ISBN
      978-4-87779-112-4

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公開日: 2021-12-27  

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