研究課題
低温馴化における温度と光の影響: 本研究で進めてきた青色光受容体クリプトクロムを介した低温馴化機構に関する論文を出版することができた。さらに、低温馴化過程におけるクリプトクロムと赤色光受容体フィトクロムの相互作用をクリプトクロム2重欠損体(cry1cry2)を用いて解析した。低温馴化前は、野生型が欠損体と比較して凍結耐性が高かった。さらに、青色光を用いた低温馴化処理1日では野生型の方が有意に高くなったが、それ以降は大きな差はみられなかった。一方、赤色光を用いた低温馴化では馴化3日目以降に野生型の凍結耐性が有意に高かった。次に、低温馴化処理7日で比較すると、野生型では白色光馴化処理で凍結耐性が最も高く、次に、青色、赤色の順であった。一方、変異体では白色光と青色光での馴化に有意差は見られなかった。以上の結果は、凍結耐性の向上には、複数の光質とそれらの受容体間の相互作用が強く関わっていることが示唆された。タンパク質変動解析: 低温情報の受容と伝達における重要基盤をなすタンパク質レベルでのリン酸化状態変動解析をさらに進め、論文化することができた。5~60分寒冷暴露したシロイヌナズナをホスホプロテオミクス法により解析した結果、1〕短時間の低温曝露が細胞イオンホメオスタシス、溶質およびタンパク質輸送、細胞骨格組織化、膀胱追跡、タンパク質修飾、およびシグナル伝達プロセスに関与するタンパク質の急速なリン酸化変化をもたらすこと、2〕各種のキナーゼ(RLK、MAPK、CDPKなど)とそれらの基質ネットワークが初期の低温シグナル伝達に関与している可能性があること、を明らかにした。以上の結果は、植物が初期の温度低下プロセスにどのように応答するかを理解するための重要なリソースとなり得る。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 6件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
International Journal of Molecular Sciences
巻: 23 ページ: 3719
10.3390/ijms23073719
Environmental and Experimental Botany
巻: 183 ページ: 104340
10.1016/j.envexpbot.2020.104340
Plant & Cell Physiology
巻: 62 ページ: 43-52
10.1093/pcp/pcaa138
Food Control
巻: 126 ページ: 108014
10.1016/j.foodcont.2021.108014
G3: Genes, Genomes, Genetics
巻: 11 ページ: jkab198
10.1093/g3journal/jkab198
日本食品科学工学会誌
巻: 68 ページ: 455-463
10.3136/nskkk.68.455
巻: 68 ページ: 464-470
10.3136/nskkk.68.464
細胞
巻: 53 ページ: 232-235
Journal of Proteomics
巻: 221 ページ: 103781
10.1016/j.jprot.2020.103781
Food Quality and Safety
巻: 4 ページ: 55-58
10.1093/fqsafe/fyz044
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 84 ページ: 2597-2608
10.1080/09168451.2020.1808444
巻: 21 ページ: 8863
10.3390/ijms21207557
巻: 21 ページ: 8631
10.3390/ijms2122863
10.3390/ijms21228863
生物物理
巻: 60 ページ: 98-101
10.2142/biophys.60.098