研究課題
植物は、微生物が共通して持つ構成成分を認識することで多様な微生物に対する抵抗性を誘導する。細菌や真菌の共通構造が広範な植物種の抵抗性を誘導する活性を持つことが報告されているが、重要病原菌を含むPhytophthora属菌、Pythium属菌などの卵菌についての研究は少ない。本研究では、ジャガイモ疫病菌Phytophthora infestansから活性酸素生成を誘導するエリシターとしてセラミド化合物およびファイトアレキシン生成誘導活性をもつエリシターとしてジアシルグリセロールの類縁化合物が得られた。また、ジャガイモ疫病菌と同様に植物病原性卵菌であるキュウリ根腐病菌Pythium aphanidermatumの菌体メタノール抽出物からエリシター活性をもつ物質の精製を進め、セラミド化合物およびジアシルグリセロールエリシターがジャガイモ疫病菌だけではなく他の卵菌で見出されたことから、これらが卵菌のPAMPsであることが示された。ジアシルグリセロールはエイコサぺンタエン酸EPAを共通構造として含んでいたことから、この部分が植物に認識される部位であると推定された。そこで、EPAのエリシター活性をWRKY33レポーターを用いて調べたところ、活性が確認された。以上の結果から、EPAが卵菌のPAMPであることが示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of General Plant Pathology
巻: 86 ページ: in press
https://doi.org/10.1007/s10327-020-00931-5
巻: 85 ページ: 347~355
10.1007/s10327-019-00855-9
http://nagoyaplantpathol.wixsite.com/nagoya-plant-pathol/blank-30