研究課題
基盤研究(B)
線維化とは、組織にコラーゲンなどの細胞外マトリックス蛋白質が過剰に産生された状態であり、組織を硬くすること等により、各種臓器の機能を大きく低下させる。組織の線維化は、コラーゲン等を産生する筋線維芽細胞という細胞群によって実行される。筋線維芽細胞は、組織が正常な時にはほとんど存在せず、炎症などを契機に様々な細胞から生じる。我々は、心臓、肺、肝臓においてこの筋線維芽細胞に特異的に発現するマーカー受容体を同定した。
薬理学、分子生物学
筋線維芽細胞研究のボトルネックの一つは、厳密な意味での筋線維芽細胞特異的なマーカー受容体が未だ同定されていないことであった。私たちの研究によりそのような受容体が明らかとなった。従って、学術的な意味を持つと考える。この受容体に対する抗体などが作成できれば、筋線維芽細胞特異的な薬剤送達が可能になるなど新たな線維化治療法開発への展開が見込まれる。従って線維化研究にブレークスルーをもたらす可能性があり、社会的意義を持つと考える。