研究課題
全身性強皮症は皮膚や組織にコラーゲンが蓄積して硬化、線維化する自己免疫疾患である。明確な原因が不明で、根治薬がなく、難病に指定されている。全身性強皮症はTGF-β/Smad系、PI3K/Akt系、自己免疫系などの諸因子が複合的に関与する疾患で、1つの蛋白質を標的として特異的に抑えても他の経路をバイパスとして病態が進行するため、単一標的アプローチでは治癒が困難である。全身性強皮症を治癒させるにはマルチ標的アプローチが必要と考えられる。令和元年度は、細胞の形態変化を指標としたフェノタイプスクリーニングにより研究代表者の合成した化合物のなかから見出された化合物HPH-15、および多彩な生理活性をもつIP6のプロドラッグ体について検討を行った。平成30年度にHPH-15の10種類の誘導体を合成したが、令和元年度にはその部分構造を一部改変した化合物をさらに10種類合成した。ヒト皮膚細胞をTGF-βで刺激したときのコラーゲン産生に対する抑制効果を調べたところ、令和元年度に合成した10化合物の方が、平成30年度の化合物より強い活性を示す傾向がみられた。本研究では化合物HPH-15の活性の改善のための構造最適化、HPH-15が作用する標的タンパク質について検討を行った。また、多彩な生理活性をもつIP6のプロドラッグ体についても検討を行った。平成30年度、令和元年度にはHPH-15の標的蛋白質の探索、およびIP6プロドラッグ体が作用する蛋白質の検討を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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