研究課題/領域番号 |
17H04002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境・衛生系薬学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西川 喜代孝 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40218128)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インフルエンザ / ペプチド / アンフィソーム / オートファジー / 脂質代謝 / 高病原性インフルエンザウイルス / スクリーニング / ヘマグルチニン |
研究成果の概要 |
我々は、A型インフルエンザウイルス(IAV)のヘマグルチニン(HA)に結合し、顕著な抗ウイルス能を発揮する4価型HA阻害ペプチド、PVF-tetを同定している。PVF-tetは細胞内で新生されたHAに結合し、ラメラボディ様構造体形成を誘導し、そこにHAを隔離することで機能する。本研究では、このラメラボディ様構造体が、オートファジー経路の活性化により形成されるオートファゴソームの一形態、誘導性アンフィソームであることを見出した。さらにこの誘導性アンフィソーム形成時には細胞の脂質代謝がダイナミックに変動することを見出した。本知見は、脂質代謝制御によるIAV制御という新たな概念を提唱している。
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自由記述の分野 |
生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果において、脂質代謝を制御することでIAV増殖を制御できる可能性が示された。今後本脂質代謝に関わる一連の脂質合成酵素、脂質分子種修飾酵素、脂質輸送分子等の寄与を分子レベルで解明することにより、新たな創薬標的の同定へと発展することが期待できる。その場合治療標的は細胞由来分子となることから、従来型のウイルス分子を標的とする薬剤に比べ薬剤耐性の問題を回避できる可能性が高い。また、誘導性アンフィソーム形成が抗ウイルス作用発現の指標となることが示されたことから、高病原性ウイルスのHAを標的とした新規治療薬開発が簡便に推進できるようになると期待できる。
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