研究課題
本研究では、研究代表者の成功事例に基づき、「輸送担体の細胞膜を起点とする分解機構の制御」が、輸送担体の活性化を介する創薬戦略として有用であることを、アテローム性動脈硬化症の抑制作用を有する脂質輸送担体ABCA1を用いて検証する。研究代表者はABCA1の細胞膜からの分解がユビキチン化を起点として生じることを見出している。本知見に基づき、細胞膜上ABCA1のユビキチン化に関わる候補分子群を同定すべくライブラリースクリーニング、インタラクトーム解析を実施した。その結果、HepG2細胞においてABCA1の細胞膜でのユビキチン化レベルを亢進し、細胞膜からのABCA1の分解を促進する分子を複数同定することに成功した。当該分子群の遺伝子改変マウスを作出し、ABCA1のユビキチン化状態、細胞膜発現量、機能に対する当該分子の影響を個体レベルで検証した。さらに、当該分子のアテローム性動脈硬化に対する影響を検証すべく、apoE KOマウスとのダブルKOマウスを作出した。現在、当該マウスに対し、アテローム動脈硬化病巣の作成に汎用される高脂肪食負荷試験を実施中である。大動脈のアテローム性動脈硬化病巣の傷害面積を算出することにより、ABCA1の分解機構の制御がアテローム性動脈硬化症の抑制に働くことを確認する予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 8件)
Hepatology Research
巻: - ページ: -
10.1111/hepr.13494
Scientific Reports
巻: 9 ページ: -
10.1038/s41598-019-53628-x