悪性腫瘍における亜鉛シグナルの役割に焦点を当てて本研究を開始したが、研究段階で様々な発見がもたらされた。特に、亜鉛トランスポーターZIP10が毛包や表皮の形成に必須であること、アトピー性皮膚炎患者の患部ではその発現が減少していることについては、同様の研究領域からはもちろんのこと、一般からも多くの問い合わせを受けた。また、本研究によって、様々ながんにおける亜鉛トランスポーターの発現の精査の必要性が生じ、各種亜鉛トランスポーターのプロモーターにEGFPを挿入したマウスを作成した。当該マウスを用いることにより、皮膚がん等の様々ながんにおける亜鉛シグナルの役割解明と、創薬研究の進展が期待される。
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