研究課題/領域番号 |
17H04013
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00262022)
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研究分担者 |
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60644044)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 蛍光偏光 / 細胞骨格 |
研究実績の概要 |
蛍光偏光顕微観察の前提となる新規constrained tagging法(蛍光分子と非標識分子の立体的相互関係を固く維持した状態で両者を結合させる方法)の開発を継続した。第一の方法の改変αへリックス法に関し、F-アクチンを標的としたPANDIA-1を改良したプローブについて、細胞内におけるアクチン動態に関する検証実験データを集積し、PANDIA-1との比較も含めて英文論文として投稿した(2019年度早々にアクセプトされた)。十分な実用レベルに到達しているものと考えている。また人工抗体様小分子法による新規プローブについても開発を継続し、多色化、その応用範囲を拡大する各種改変等を実施した。検討してきた方法の中では人工抗体様小分子法の汎用性が高く、プローブとしての性能も良好なことから、今後の開発、応用はこちらに注力することとした。また人工抗体様小分子法プローブについては、共同研究によりその結晶化に成功し、更にアクチンを標的とするプローブにより、ヒトデの卵母細胞を使用した実験において従来報告のなかった新規アクチン構造動態の検出に成功している(投稿準備中)。神経系におけるアクチン系細胞骨格動態の観察については、参照データとしての超解像顕微鏡による観察の条件検討を行っている。ラミンを標的としたプローブについては、改変αへリックス法プローブによる細胞内動態を開始した。偏光蛍光相関分光装置については、その構築と解析プログラムの調整を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
人工抗体様小分子法の予想外の進展に加え、同法の拡張にも成功し始めている。神経系やアクチン以外の分子、対象についても研究遂行が可能な状態となってきている。
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今後の研究の推進方策 |
人工抗体様小分子法に関連し、スクリーニング系の樹立、試行を開始したが、並行して実施した同法のプラットフォームの拡張実験に成功したことから、複数のプローブの候補獲得を示唆する所見を得ている。それぞれについて応用展開を目指した実験を進める予定である。神経系におけるアクチン系細胞骨格の動態は、超解像顕微鏡手法との比較データ取得の終了後、実施に進む予定である。ラミンを標的としたプローブに関する実験については、性能のよいプローブが取れてきているので、関連する分子群との同時観察を目指す。ニューロフィラメントタンパク質については、人工抗体様小分子法を拡張することで新規に別種の中間径フィラメントタンパク質に対するプローブを作成することに成功したので、こちらを優先し、その所見をもとに計画遂行を目指す方針に変更する。
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