本研究において視覚弁別機能に関連する神経回路の一端が解明できたことにより、高次脳機能の理解が大きく進んだと考えられる。さらに、統合失調症の情動認知機能障害に関わる分子としてDISC1, リーリンおよびARHGAP10を同定した。これらの研究成果は、これまで治療困難であった統合失調症の新規治療薬や予防薬の開発に繋がるものと期待できる。実際、患者型遺伝子変異を有する動物モデルの研究から、ドーパミンD2受容体などの従来の創薬標的とは異なる新しい創薬標的候補分子を同定した。 以上、本研究成果は脳科学研究の発展に寄与するだけでなく、精神疾患の病態解明や新規治療薬の開発への応用展開が可能である。
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