研究課題
(新たなMAM 解析方法の構築)Mitofusin2(Mfn2)は小胞体膜上にも局在し、ミトコンドリア外膜上のMfn2と手をつなぐことにより、両オルガネラを繋ぎ留めている。小胞体-ミトコンドリアの相互作用(MAM)の破綻は、Mfn2の機能異常により発症するシャルコー・マーリー・トゥース病のみならず、アルツハイマー病の病態や心不全の発症にも関与することが報告されており、その重要性が注目されている。MITOLはMfn2をユビキチン化して分解ではなくMfn2を活性化してMAMを誘導することを報告したが(Mol. Cell 2013)、生体内での役割は不明であった。これまでのMAMの解析方法は細胞分画法や電子顕微鏡解析が主であり、その解析方法の正確性が不十分であることから、MAMの実態を正確に捉えることが困難であった。私たちはマウスを用いてMAMを3次元的に観察することに成功し、MITOLが生体内においてもMAMの制御に重要であることを示した(Life Sci. Alliance 2019)。(MITOL 機能低下と心不全の病態との関連解析)心筋特異的MITOL 欠損マウスは欠損6ヶ月後に心不全を発症し、1年以内に致死になることがわかった。さらに、MITOLの基質であるDrp1によるミトコンドリア断片化が起きていることをWestern blotting 法、電子顕微鏡観察にて証明した。また、Drp1 阻害剤によるレスキュー実験を行った結果、Drp1 の特異的阻害剤であるMdivi-1 投与により心不全が回復することを明らかにした(論文投稿中)。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
EMBO J.
巻: 38 ページ: e100999
10.15252/embj.2018100999