マラリア治療にはアルテミシニンとパートナー薬剤(メフロキン・ピペラキン)による併用療法(ACT)が用いられる。しかし現在、パートナー薬剤に対する耐性が蔓延しており、耐性を回避するパートナー薬剤の選択がACTの成否の鍵となっている。最適なパートナー薬剤を選択するためには耐性原虫の蔓延状況を正確に把握する必要がある。しかしピペラキンとは異なりメフロキン耐性原虫の蔓延状況は未だ正確に把握されていない。これに対し本研究の成果はメフロキン耐性を監視する絶対的な分子マーカー(耐性遺伝子)を与える。これにより正確な疫学調査に基づく最適なパートナー薬剤の選択が可能となり、成功率の高いACTを提供できる。
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