研究課題/領域番号 |
17H04076
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90221746)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 毒素 / エフェクター / 結晶解析 / 腸炎ビブリオ / ウェルシュ菌 |
研究実績の概要 |
本研究では、腸炎ビブリオおよびBEC産生性ウェルシュ菌の主要な病原因子である VepA(腸炎ビブリオ)およびBEC(ウェルシュ菌)を研究対象とし、それらの活性発現機構を明らかにすることを目的とする。具体的には、まず結晶構造解析により両者の三次元構造を明らかにする。次に明らかになった三次元構造をもとに、一連の変異体を作製して構造機能相関について解析を行い、活性部位等を明らかにする。また、得られた一連の変異体を用い、VepA については V-ATPaseとinteract した結果どのようにリソソーム膜の撹乱を引き起こすかについて、BECに関しては、BECb の腸管上皮細胞への作用がいかに腸管毒性につながるかについて多方面から解析を行い、活性発現機構の解明を目指す。 VepAに関して本年度は、すでに作製している VepA の大量発現系により発現させたVepAを精製し、シッティングドロップ蒸気拡散法により結晶化を試み、結晶のスクリーニングを行った。これまでに有望な結晶が得られており、平成31年度中の構造解析完了を目指している。 BECに関しては、こちらもやはりシッティングドロップ蒸気拡散法により結晶化を試み、BECaに関してはすでに結晶構造が解け論文発表したが、BECbについてはいまだ高分解能の結晶が得られておらず、スクリーニングを継続中である。一方で、BECbの培養細胞に対する作用に関しては、いくつかの興味ある知見が得られており、平成31年度中の論文投稿を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BECaについては、すでに結晶解析が完了し、成果を論文として発表しているが、VepAについても有望な結晶が得られており、本研究の期間内に解析を完了できる見込みである。site-directed mutagenesisやerror-prone PCRを用いた構造機能相関についての実験は遅れているが、一 方で、BECbの標的細胞への作用について興味ある知見が得られており、本研究期間内での論文投稿が見込まれている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度、30年度に行った研究の結果を踏まえつつ、VepAおよびBECbの作用により何が起こっているかについて多角的に検討を行い 、それぞれの活性発現機構についてより詳細な解析を進める。また、平成29年度、30年度の研究計画で未完のものについて継続して研究を進め結論を得る。
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