研究課題/領域番号 |
17H04077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小椋 義俊 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40363585)
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研究分担者 |
梶谷 嶺 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (40756706)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 志賀毒素産生性大腸菌 / 腸管病原性大腸菌 / 志賀毒素 / 3型分泌装置 / 進化 / ゲノム |
研究成果の概要 |
志賀毒素産生大腸菌(STEC)と腸管病原性大腸菌(EPEC)は、それぞれ溶血性尿毒素症候群と乳児下痢症の原因となる。STECやEPECはウシの腸管内に常在しているが、どのような大腸菌からどのようなプロセスを経て進化してきたかはまだよくわかっていない。我々は、ヒトとウシの常在大腸菌、ヒト臨床由来大腸菌の大規模ゲノム比較により、STECやEPECがウシ常在大腸菌に様々な病原遺伝子が蓄積することで出現していることを明らかにした。これらの病原遺伝子間には、機能的な関連があり、それらが協調的に働くことがウシ腸管内における大腸菌の生息に役立っていることが示唆された。
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自由記述の分野 |
細菌学、ゲノム科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ウシ腸内には、ウシ常在大腸菌へ多数の病原因子を蓄積させる選択圧が存在する可能性が示された。その選択圧の候補の1つとして、ウシ腸内で大腸菌を捕食している原生生物が挙げられる。今後は、その選択圧を明らかにし、病原性大腸菌出現の仕組みを完全に解明することで、病原性大腸菌を制御する手法の開発が可能となり、病原性大腸菌感染症の予防や安全な食肉生産に繋がると期待される。
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