研究課題/領域番号 |
17H04096
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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研究分担者 |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
菅沼 信彦 京都大学, 医学部, 教授 (30179113)
出口 顕 島根大学, 法文学部, 教授 (20172116)
宍戸 圭介 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (10524936)
小河 達之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (10346421)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生殖医療 / 生命倫理 / 配偶子提供 / 配偶子凍結 / 代理出産 / 子宮移植 / 性的マイノリティ / ライフプラン |
研究実績の概要 |
生殖医療の現場の研究者や医師などへインタビューを行うとともに,会議を行い,公開セミナーの計画をした.それに沿って,2017年6月24日(土),岡山大学医学部鹿田キャンパスで開催された第9回「生と死の倫理」セミナーにて,シンポジウム「配偶子提供~提供卵子の価値、子どもへの告知~」を行った.2017年,NPO法人卵子提供登録支援団体「OD-NET」は,第三者の女性ボランティアが提供した卵子を用いて不妊女性が出産したと発表したが,その岸本佐智子代表に『「卵子提供で子どもを持つこと」の意味』との講演をいただくとともに議論を行った.このセミナーでは,中塚は,『「配偶子提供」に対する日本人の意識(全国調査2016の結果から)』,共同研究者の宍戸は『「出自を知る権利」の根拠』,粟屋は,『「配偶子提供」は無償であるべきか』とのタイトルでの講演を行った.また,中塚研究室の客員研究員(非常勤講師)である于麗玲が『中国における「卵子提供」への意識と実態』,また,日本人が渡航して卵子提供を受けている台湾の実態を発表した. 台湾の実態については,さらに,台湾の生命倫理学者との会議にて情報収集を行うととともに,卵子提供の根拠となる法律の日本語訳を行い,論文投稿中である.さらに国際比較を行うため,日本国内,中国,韓国,ベトナムにおける質問紙調査を行い,現在解析中である.また,粟屋が,イスラエルにおける聞き取り調査を行った. 中塚,菅沼は子宮移植に関する調査を実施し,第20回GID(性同一性障害)学会において報告した.また,中塚は,性同一性障害当事者を対象に生殖医療に関する質問紙調査を実施し,解析中である.また,性的マイノリティ(LGBT)当事者である子どもや学校関係者に向けて,ライフプランを立てるための教材となる冊子を作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー調査は順調に行われた,会議などでの情報収集を行うとともに,シンポジウムを開催して課題を整理した.また,国内外で,一般人向けの質問紙調査を実施している.また,性同一性障害当事者の生殖医療の利用についての意識調査も実施した.また,性的マイノリティ(LGBT)の子どもがライフプランを立てることを前提に教材を作成した.研究は順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,現在,行っている調査結果を解析するとともに,倫理的,法的課題をについて更に広く情報や意見を集める予定である.
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