研究課題
新たに腎有機カチオントランスポーター(OCT2、MATE2-K)の内因性バイオマーカーとして同定したN1-methyladenosine(m1A)について、ゲノムワイド関連解析で示唆されたSNPおよび1000 Genomes Projectの解析結果を参照し、強い連鎖不平衡(連鎖不平衡係数R>0.9)にあるSNPsも解析対象とした。3‘UTR領域にあるSNPに対して、miRNAによる翻訳抑制を検討したが、遺伝子多型による影響を認められなかった。イントロン領域にあるSNPに対して、エンハンサー機能を有する領域を、HEK293、HepG2、HeLa細胞を用いて探索した。HepG2細胞ならびにHeLa細胞では、SNPを導入することで転写活性の低下が認められた。この領域にはSp1の結合が示唆され、当該領域の削除により活性の低下が認められた。プロベネシドを投与した検体を用いて、内在性代謝物の血漿中濃度AUCの増大ならびに腎クリアランスの低下が、用量依存的に認められ、検討した代謝物が内在性バイオマーカーとなることを確認した。研究期間において22名の患者が登録された。イリテノカンを服用後、血漿中のイリテノカン濃度、活性代謝物SN-38、不活性化代謝物SN-38GおよびAPC濃度を測定した。個体間変動要因のバイオマーカーとして、UGT1A1、OATP1B1、BCRPの既知遺伝子多型(SNP)およびOATP1B1のバイオマーカーであるコプロポルフィリンIとIII濃度を測定した。SN-38G/SN38のAUC比はUGT1A1遺伝子型の影響を受けたが、OATP1B1 SNPの影響は認められなかった。コプロポルフィリンI濃度の高い被験者では、SN-38AUCが高いことを確認した。好中球減少と遊離形SN-38 AUCとは関連が認められたが、下痢との間には関連が認められなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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