研究課題/領域番号 |
17H04105
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森岡 弘志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (20230097)
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研究分担者 |
竹内 正義 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20154982)
小橋川 敬博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (90455600)
佐藤 卓史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (70555755)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 一本鎖抗体 / 終末糖化産物 / プロテオーム解析 / バイオマーカー / 糖尿病性腎症 |
研究実績の概要 |
生体内タンパク質の糖化反応により生成される終末糖化産物(AGEs)は、加齢や高血糖状態の持続により蓄積され、AGEs受容体の一種であるRAGE(Receptor for AGEs)に結合し、糖尿病合併症などの生活習慣病に強く関与すると提唱されている。 本研究では、AGEs構造を特異的に識別する一本鎖抗体にβグルカン認識タンパク質を結合させた新規機能性融合タンパク質を創製し、それを用いてヒト血中に存在するAGEs修飾タンパク質の選択的な分離・濃縮、さらには質量分析法によるプロテオーム解析を行い、AGEs関連疾患の診断・予防に有用なバイオマーカーの探索を進めた。 当初の計画では、標的とするAGEsは、GA-pyridine(GAP)、カルボキシメチルリジン(CML)、toxic AGE(TAGE)の3種類を考えていたが、TAGEの化学構造の決定が極めて困難であったこと、ならびに、抗原結合性の高いCML特異的一本鎖抗体の調製量が少なかったことから、平成30年度に興味深いデータが得られたGAP特異的一本鎖抗体をもとに作製した機能性融合抗体を用いた研究を重点的に進めた。 GAP特異的な機能性融合タンパク質を用いて濃縮された血中タンパク質試料について、質量分析法によるプロテオーム解析を進めたところ、炎症性疾患マーカーであるC反応性タンパク質(CRP)のGAP修飾体(GAP-CRP)が同定され、さらにGAP-CRPの血中濃度が腎機能低下の早期予測マーカーとなる可能性が見出された。今後、さらなる解析を進め、腎臓疾患の早期診断に有効なバイオマーカーの探索とその臨床応用を目指す。 一方、GAPとRAGEとの分子間相互作用の物理化学的解析が進展しており、今後はAGEs-RAGE系により引き起こされる疾患発症・進展メカニズムの解明を目指した研究を進める。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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