研究課題
近年難治性疾患に補体活性化の関与が疑われている。しかし現在、補体活性化と疾患病態を結びつける補体因子の適切な検査やその体制が存在しないために、その詳細は不明である。本研究の目的は、新規補体活性化測定系の開発と構築を行い、標準検査系である補体活性化分解物測定系を再整備・構築し、補体関連疾患の補体活性化病態メカニズムの解明を行うことである。研究は以下の5項目を行った。1.世界標準の補体系検査の構築(国際補体学会が推奨する20項目の検査項目が最終目標)2.新規補体活性化測定系を開発・構築3.疾患確定した既存患者血液を研究1,2の測定系に供し、検査の基準値設定 4.前向き試験で収集する患者血液を研究1,2測定系に供し、 補体活性化度の評価 5.3,4における補体検査値と患者病態情報を得て、本補体関連疾患の補体活性化度の解析。 現時点での本研究成果は、1次版として、世界標準の20項目の検査の半分である10項目(C3, C4,CH50, Ba, sC5b9, C5a, CFH, CFI, C1-INH活性, CFH-IgG)の構築の前段階である。すでにプロトタイプ系が樹立されているので、引き続き10項目の基準値を策定を進めている。25名に関しては、日本補体学会の学術集会2017年度ですでに報告し、70名による基準値について、検討を行っている途中である。2.新規補体活性化系の開発では、新たな細胞培養系にての検証を行っている。3-5の項目に関しては、臨床検体の収集の途中である。今後、サンプルが集まり次第、3-5の検討を進める。
3: やや遅れている
研究は以下の5項目を行う計画であった。1.世界標準の補体系検査の構築2.新規補体活性化測定系を開発・構築3.疾患確定した既存患者血液を研究1,2の測定系に供し、検査の基準値設定 4.前向き試験で収集する患者血液を研究1,2測定系に供し、 補体活性化度の評価 5.3,4における補体検査値と患者病態情報を得て、本補体関連疾患の補体活性化度の解析。 現時点での本研究進捗では、1-2については、ほぼ順調に研究は進んでいるが、3-5の項目に関しては、臨床検体の収集に時間がかかっている。理由は、検体収集の学会事務局の移転により、倫理委員会申請の承認に時間がかかり、関係諸機関の調整に時間がかかり、患者サンプルの収集が遅れた。さらに、補体関連疾患の症例数が少ないことも一因にあると考えられる。今後、サンプルが集まり次第、3-5の検討を進める。
分担研究者の井上が大阪国際がんセンターから和歌山県立医科大学の教授になり、検体収集の事務局が移転し、倫理委員会申請の承認が遅れた。しかし、倫理委員会の承認後は関係諸機関の調整に時間がかかるも、なんとか患者サンプルの収集を開始で来ている。さらに、補体関連疾患の症例数は少ないながらも、日本腎臓病学会、日本小児腎臓病学会等の連絡網も整備され、歩みは遅いながらも着々と症例は事務局に集まっており、最大限に患者血液の収集が図られており、対応はできている。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
Clinical and Applied Thrombosis/Hemostasis
巻: 25 ページ: 1-6
10.1177/1076029618821189