研究課題/領域番号 |
17H04111
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩谷 良則 大阪大学, 医学系研究科, 名誉教授 (60168581)
|
研究分担者 |
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30243231)
渡邉 幹夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50294088)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | IFNG遺伝子 / CD58遺伝子 / IL6遺伝子 / CD80/CD86遺伝子 / VEGF/VEGFR2遺伝子 / 遺伝子多型 / メチル化 / 自己免疫性甲状腺疾患 |
研究実績の概要 |
自己免疫疾患の発症と予後を規定している遺伝因子(遺伝子多型)と環境因子(エピゲノム情報としてのDNAメチル化、ヒストン修飾、non-coding RNA(microRNAなど))の両者を明らかにすることにより、自己免疫疾患の確実な発症・予後予測診断法を確立することを目的とした。 CD58とCD2の結合は、制御性T(Treg)細胞を刺激し免疫応答を抑制するCD58の6つの遺伝子多型が自己免疫性甲状腺疾患(AITD)と関連し、単球のCD58陽性細胞比率がAITD感受性ゲノタイプをもつ健常人で低値を示したことより、CD58遺伝子多型はCD58発現低下を介してTreg細胞を抑制し、AITD感受性になると考えられた。さらに、CD80/CD86とCD28の結合は、ヘルパーT(Th)細胞を刺激し免疫応答を活性化するが、B細胞のCD80と単球のCD86の発現比率がAITD、特に重症の橋本病(HD)で増加し、CD80とCD86の遺伝子多型がそれぞれHDの重症度と疾患感受性に関連した。 血管内皮増殖因子(VEGF)とVEGF受容体(VEGFR)の結合は血管増生を促すが、VEGF遺伝子多型の低活性型が重症HDで多く、VEGFR遺伝子多型の高活性型が難治性のバセドウ病(GD)と甲状腺腫の大きい人に多く、AITDの病態と関連した。 IFNγ遺伝子のDNAメチル化率は、難治性GDの方が寛解GDよりも高く、そのメチル化の生じるCpG部位は遺伝子多型のゲノタイプにより異なった。また、そのメチル化率は年齢と逆相関した。さらにIL6遺伝子のDNAメチル化率は、HDで高く、難治性GDの方が寛解GDよりも低かった。また、そのメチル化率は年齢と逆相関した。 以上より、自己免疫疾患の発症と予後を規定している主要な遺伝因子と環境因子を解明することができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|