研究課題
本年度は大迫研究コホートで、対象地区の住民に家庭血圧計 HEM-7080ICを配布し、1ヶ月間の家庭血圧測定を実施した。その後、家庭血圧計を回収するとともに対象者より各種調査票、面談などで関連情報を収集し、得られた知見を家庭血圧の介入試験 HOMED-BP研究の結果を照らし合わせるなどの形で国際学会等で発表した。一方、SONIC研究コホートでも、高齢者の家庭血圧測定を開始した。対象者の平均年齢が 80歳台後半と極めて高齢であることから、事故等が起こらぬよう慎重に家庭血圧測定の適応を見定めて実施した。事前の予測に反して、当初年度中に必要人数に到達しなかったが、幸い大きなトラブルなく繰越期間中に対象者を拡大して測定を完了することができた。その結果は次年度研究計画に基づく測定結果と統合して発表する見込みとした。他の参加コホートである久山町研究、長浜コホートにおいても、それぞれ家庭血圧ならびに関連情報の収集と整理を行った。このうち長浜コホートからは、起立性血圧低下が朝の家庭血圧変動と有意に関連していることを報告した。また、診察室外血圧のメタ解析については、先行する国際共同メタ解析である IDACO (Ambulatory blood pressure in relation to Cardiovascular Outcomes)ならびに IDHOCO (Home Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcomes)における診察室外血圧などの情報収集・格納方法を踏襲する形で、各コホートからの収集データの絞り込みとデータベースの設計を追えた。
2: おおむね順調に進展している
新しい家庭血圧の測定とデータの収集は各コホートにおいて順調に進んだ。また、統合データベースの整備作業も順調であった。ただし次年度に実施予定の個人データの収集については法改正による対応を予め見極めることが困難であり、次年度研究計画の早期に対応することとした。
今後も本研究のスキームで、参加各コホートに家庭血圧、診察室外血圧の測定と関連情報の収集を行う。また、早期に統合データベースの構築を完了させ、解析成果の公表を目指す。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
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