研究実績の概要 |
後期高齢者におけるサクセスフル・エイジング(心身機能の衰えが少なく、生活満足度の高い加齢)の促進因子を解明することを目的として、2006年12月に宮城県大崎市で行われた生活習慣などのアンケート調査に回答した65歳以上(当時)の男女を対象に、心身の健康状態や生活の質に関する郵送質問紙調査を2017年12月に実施した。 上記調査の回答者23,091人のうち、同調査時点で介護保険認定を受けていた者、要介護認定の追跡調査に非同意の者、追跡開始前の死亡・転出者を除く、14,774人を対象とした。この間の死亡者・転出者を除く9,662人にアンケート調査票を2017年12月に郵送し、7,643人から回答があった。 サクセスフル・エイジングとは、介護保険認定非該当、抑うつなし(基本チェックリストの抑うつ5項目で該当なし)、生活の質良好(EuroQol 5 Dimensionで満点)、人生満足度が高い(Dienerによる人生満足尺度(Satisfaction With Life Scale:SWLS)で35点中25点以上)の全てに該当する者と定義した。 解析対象者8,527人(2017年調査の有効回答者5,887人+追跡期間中の死亡者2,645人)のうち、628人(7.4%)がサクセスフル・エイジングを達成していた。2017年のサクセスフル・エイジング達成と有意な関連があった2006年時点の生活習慣・生活行動は、非喫煙・禁煙、適正体重、1日30分以上の歩行、1日7~8時間の睡眠、歯数20本以上、高卒以上、ソーシャルサポート有、地縁的活動・趣味活動・ボランティア活動の参加であった。また、地縁的活動・趣味活動・ボランティア活動の参加項目数が多いほど、サクセスフルエイジングのオッズ比は有意に高くなった。
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