研究課題/領域番号 |
17H04134
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨澤 理恵 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (20584551)
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研究分担者 |
本多 智佳 滋賀医科大学, 医学部, 客員准教授 (40625498)
國澤 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (80376615)
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 / 双生児研究 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
腸内細菌叢と生活習慣病の関係について多くの報告があり、そのメカニズムについても解析が進んでいる。一方で、腸内細菌叢や疾患の発病や進行の双方にも、生活習慣をはじめとする環境の影響だけでなく、個々人がもつ遺伝的な影響も関与していることが報告されている。疾患の発症や進行を予防しようとするとき、生活習慣をはじめとする環境を改善するというアプローチも重要である。これらを解明するためには、双生児を対象とする双生児研究法は、遺伝要因を制御し、特定の環境因子の影響を明確に出来る有用な手法である。特に生活習慣に関連するこれらは民族的・文化的・社会的背景の影響を受けるため、日本在住日本人を対象とした調査が必要である。 本研究は大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンターにボランティア登録されている双生児を対象に協力を募り、257名の成人双生児より協力の同意を得て、サンプリングを行った。20歳から90歳の成人双生児で、一卵性双生児がほとんどを占める。一部の方はツインリサーチセンターが行う別研究への同意による検査データ(認知機能調査、血液検査、DNA情報など)の同時サンプリングとしたが、COVID-19の影響を受け、一時調査を中断し、データ整理を行った。 一卵性双生児のデータから、これまでにない一卵性双生児間の差分に着目する解析方法で検討した。Lactobacillus属は有意にペア内の構成比の差が小さかったことから、これは環境因子に対する感受性が低いと考えられた。一方で有意にペア内の構成比の差が大きかった菌は、環境因子に対する感受性が高いと考えた。このように双生児間の差分に着目して、高血圧と腸内細菌叢との関連をみたところ、先行研究と同じ関連性を示す菌が抽出され、遺伝の影響を考慮しても高血圧との関連があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響を受け対面方法から郵送方法に切り替え、サンプリングを行った。
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今後の研究の推進方策 |
サンプリングをデータ化し、分析を進める。
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