研究課題/領域番号 |
17H04135
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三宅 吉博 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
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研究分担者 |
田中 景子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (40341432)
古川 慎哉 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60444733) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 出生前コーホート研究 / 横断研究 / 行動的問題 / 妊娠中栄養摂取 / 遺伝子多型 |
研究実績の概要 |
九州・沖縄母子保健研究(出生前コーホート研究)と九州・沖縄小児健康調査(横断研究)のデータを活用して、行動的問題のリスク要因及び予防要因を解明することを目的とする。 平成29年度は、九州・沖縄母子保健研究のデータを活用した2つの英文原著論文を公表した。いずれも妊娠中の母親の栄養摂取が生まれた子の5歳時におけるStrengths and Difficulties Questionnaire に基づいた行動的問題に影響するかどうかを検討した。尚、5歳時における情緒問題、行為問題、多動問題、及び仲間関係問題は、各々、子の12.9%、19.4%、13.1%及び8.6%に認められた。1つ目の論文では妊娠中の脂肪酸摂取との関連を調べたところ、妊娠中の一価不飽和脂肪酸、αリノレン酸、n-6系不飽和脂肪酸、リノール酸が多いほど、生まれた子の情緒問題のリスクが有意に高まった。これらの脂肪酸摂取と行為問題、多動問題及び仲間関係問題とは関連がなかった。妊娠中の総脂肪酸、飽和脂肪酸、n-3系不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸及びコレステロール摂取はいずれの行動的問題とも関連がなかった。2つ目の論文では妊娠中のカフェイン摂取との関連を調べたところ、仲間関係問題のリスク低下と関連し、情緒問題、行為問題、多動問題とは関連がなかった。 九州・沖縄母子保健研究と九州・沖縄小児健康調査の計約5千名の子供の遺伝子検体を用いて、SNAP25 rs3746544及びBAIAP2 rs8079781のタイピングを行った。 九州・沖縄母子保健研究のデータで、妊娠中の日本型及び健康型食事パターンが妊娠中うつ症状と予防的な関連であることと喫煙と妊娠中うつ症状との正の関連も報告した。九州・沖縄小児健康調査のデータを用いて母乳と喘息との予防的な関連及び社会経済的要因とう歯との関連も報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実に査読のある学術誌に英文原著論文としてエビデンスを公表している。遺伝子多型のタイピングも堅実に実行している。九州・沖縄母子保健研究の追跡調査を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
現状の研究活動を継続して推進し、英文原著論文としてのエビデンスの蓄積に尽力する。
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