研究課題/領域番号 |
17H04153
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
荒井 秀典 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 理事長 (60232021)
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研究分担者 |
山田 実 筑波大学, 人間系, 教授 (30525572)
松井 康素 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, ロコモフレイルセンター, 部長 (50501623)
佐竹 昭介 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (50508116)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 老年医学 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
H30年度は、超音波画像により推定した骨格筋内脂肪(IMAT)と関連するバイオマーカーを検証した。H29年度の調査により、骨格筋の超音波画像のエコー輝度より得られた値は種々の骨格筋指標と関連しており、IMATを反映する指標として有用であると考えられた。本研究では、この超音波画像より推定したIMATと関連するバイオマーカーを探索することである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の対象は、地域在住高齢者367名であった。対象者には、大腿前面部の超音波画像を計測し、IMATの指標となるエコー輝度を算出した。また、採血を行い、過去の研究で骨格筋との関連性が示されている、インスリン様成長因子(IGF-1)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、25(OH)D、TNF-α、アディポネクチン、酸化LDL、過酸化脂質の血中濃度を算出した。 分析対象は、男性114名(80.6±7.4歳)、女性253名(80.5±6.8歳)であり、男女それぞれで分析を行った。男性のIMATと関連性を認めたのは、IGF-1、DHEA、TNF-α、アディポネクチン、過酸化脂質であり、女性のIMATと関連性を認めたのは、IGF-1、25(OH)D、アディポネクチン、過酸化脂質であった。なお、いずれも弱い相関関係に留まった。 男女ともにIMATと関連が認められたのは、IGF-1、アディポネクチン、過酸化脂質であった。これらはバイオマーカーとして有用であるとともに、IMATの抑制を検討した際に、極めて重要な要因となる可能性が示された。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、介入にてIMATの抑制が可能となるのかを検証することで、サルコペニアやダイナペニア高齢者の対策に活かしていく必要がある。
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