研究課題/領域番号 |
17H04162
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂井田 功 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80263763)
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研究分担者 |
藤澤 浩一 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00448284)
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60511251)
松本 俊彦 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70634723)
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肝硬変症 / 骨髄間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
非代償性肝硬変におけるBまたはC型肝炎ウイルスの排除・制御は生命予後を改善させることが期待されるものの、肝線維化や肝発癌リスクの残存も懸念されている。また肝移植ドナー不足やNASH肝硬変の増加も予測されることから、抗線維化や発癌抑制効果のある再生療法の普及が望まれている。これまで我々は非代償性肝硬変症に対する非培養全骨髄細胞や培養自己骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いた末梢静脈投与に基づく低侵襲肝臓再生療法を報告している。本研究では、我々が確立した中大型動物の肝線維化評価モデルを使用し、培養自己骨髄MSC肝動脈投与の有効性・安全性をこれまでの末梢静脈投与と比較した。方法としては、中大型動物の骨髄細胞を採取・培養し、得られた骨髄MSCを四塩化炭素(CCl4)反復投与による肝線維化評価モデルに末梢静脈投与または肝動脈投与し、骨髄MSC投与前、投与後4,8,12週において肝線維化およびICG値半減時間の変化をコントロール群と比較した。さらに骨髄MSC肝動脈投与の安全性を造影CTと経時的血液生化学検査で評価した。その結果、骨髄MSC投与後4週において、末梢静脈投与群(n=8)は細胞非投与群(n=10)と比べてICG値半減時間の短縮を認めた。また肝動脈投与群(n=4)のICG値半減時間は、末梢静脈投与群と比しても投与8週後(ΔICG値半減時間[分]:-3.8±1.7 vs. +0.4±2.4, p<0.01)および投与12週後(ΔICG値半減時間[分]:-4.2±1.7 vs. +0.4±2.7, p<0.01)と有意に短縮されていた。また細胞投与後の造影CTでも肝梗塞なく、血液凝固亢進も認めなかった。以上より、中大型動物肝線維化評価モデルにおいて、培養自己骨髄MSC肝動脈投与の有効性(肝線維化および肝機能改善)と安全性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、中大型動物肝線維化評価モデルにおいて、培養自己骨髄MSC肝動脈投与の有効性(肝線維化および肝機能改善)と安全性を確認し論文報告することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、今後は中大型動物肝線維化評価モデルにおいて、凍結した培養自己骨髄MSC肝動脈投与の有効性(肝線維化および肝機能改善)と安全性を確認する。
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