研究課題/領域番号 |
17H04167
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
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研究分担者 |
岩本 淳一 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10384950)
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胆汁酸 |
研究実績の概要 |
代謝・免疫が関与する消化器疾患研究において,マウスは最も頻用されるモデル動物であるが,マウスの胆汁酸組成はヒトと大きく異なり,細胞障害性や核内受容体を介した代謝制御に根本的な種差が存在する。マウスはヒトと異なり,1)ケノデオキシコール酸をミュリコール酸に変換する酵素(ケノデオキシコール酸6β-hydroxylase),および,2)二次胆汁酸を一次胆汁酸に戻す酵素(デオキシコール酸7α-hydroxylase)を有している。そのため,これら2つの酵素のダブルノックアウトマウスが作製できれば,よりヒトに近い胆汁酸組成となり,多くの消化器疾患研究に利用可能と考えられる。 当該年度はまず,前年度に確立したケノデオキシコール酸6β-hydroxylase,デオキシコール酸7α-hydroxylaseそれぞれのヘテロマウス(F1)を用いて,ダブルヘテロマウスの作製を行った。次にダブルへテロマウス同士を交配し,生まれてきたマウスの尻尾数ミリを採取して,導入変異の有無を解析した。16種類の遺伝子型を持つマウスが産生されたが,その中からホモ/ワイルド,ワイルド/ホモ,ホモ/ホモの遺伝子型を有する3種類を選別し,それぞれ独立のコロニーとして維持繁殖を行った。 維持繁殖させた上記3群のマウスとワイルド/ワイルドマウスの表現型を明らかにするために,10-12週齢(平均11週齢)の雌雄のマウスを用いて体重,肝重量,血清,胆汁,肝,小腸,盲腸内容,糞便の胆汁酸分析を行った。さらに,肝と回腸末端の脂質・胆汁酸代謝に関する遺伝子発現解析を行い,それぞれのヒト型胆汁酸マウスの特徴が明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りヒト型胆汁酸マウスが完成し、脂質・胆汁酸代謝に関する基礎的な表現型解析も既にデータが得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後1年間は,その後の研究継続のために3種類のマウスのコロニーを維持しつつ,これまでに得られたデータの解析を行い,さらに必要あれば追加の表現型解析を行う。これまでの研究を総括して,令和元年度中に予定通り論文投稿が行える見込みである。
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