研究課題
血管成熟化を促進する周細胞(PCs)の新規因子Ninjurin 1(Ninj1)を見出した。 また、Ninj1は、周細胞の中の毛細血管幹細胞(CapSCs)において、シュワン細胞への分化を促し、血管に伴走しながら末梢神経が再生され、機能的な成熟血管形成に寄与するという仮説を立てた。 内皮(ECs)・PCsの接着や神経再生を観察できる微小血管チューブデバイスや周細胞特異的Ninj1KOマウスなどを用いて、目的1 Ninj1のPCとECとの接着への影響やPCの一つである幹細胞(CapSCs)の神経再生能や血管神経伴走化への関与の二点に着目し、in vitro血管成熟実験とEC/PCから成る微小血管チューブデバイスや神経組織との共培養システムなど医工学連携の中で、Ninj1の血管成熟化の機序解明を目指す。①CapSCsの血管と神経再生能(BVW)の観点でNinj1の血管成熟化作用およびその機序解明 にむけてIn vitro毛細血管構築システムとマウス脊髄後根神経節(DRG)の共培養系システムを構築し、CapSCによる血管構造上に神経軸索伴走化に必要である基礎データーを習得、現在、その機序解析にむけた研究を行っている。目的2 Ninj1のVasa vasorum形成や血管リモデリングにおける役割解明むけて、PC特異的Ninj1-knock out(KO)マウスやPC/CapSCs細胞シートを用いた障害血管モデルにおいて血管壁外膜の微小血管の形成や末梢神経再生、血管壁リモデリングへの影響を評価し、微小血管の成熟化という抗動脈硬化治療戦略の妥当性を検討する。①Ninj1KOマウスを作製し、ワイヤ血管障害モデルの作成と障害血管外膜の性状と障害血管リモデリング解析実験を進めている(昨年にひきつづき、その機序解析に関する実験を行っている)。
2: おおむね順調に進展している
目的1 Ninj1のPCとECとの接着への影響やPCの一つである幹細胞(CapSCs)の神経再生能や血管神経伴走化への関与の二点に着目し、in vitro血管成熟実験とEC/PCから成る微小血管チューブデバイスや神経組織との共培養システムなど医工学連携の中で、Ninj1の血管成熟化の機序解明を目指す。①Ninj1は、CapSCsの血管構築や神経再生を介して、機能的血管形成に寄与するか; 本目的達成に重要なIn vitro毛細血管構築システムとマウス脊髄後根神経節(DRG)の共培養系システムの構築に成功している。目的2 Ninj1のVasa vasorum形成や血管リモデリングにおける役割解明むけて、PC特異的Ninj1-knock out(KO)マウスやPC/CapSCs細胞シートを用いた障害血管モデルにおいて血管壁外膜の微小血管の形成や末梢神経再生、血管壁リモデリングへの影響を評価し、微小血管の成熟化という抗動脈硬化治療戦略の妥当性を検討する。①Ninj1の障害血管外膜の微小血管形成や末梢神経再生への役割解明; NinjKOマウスを作成し、同マウスでの大腿動脈障害モデルでの外膜部の微小血管形成や神経分布を評価している。 ②血管リモデリング(内膜肥厚、プラーク形成)への影響; NinjKOマウスでの大腿動脈障害モデルでの外膜部の微小血管形成や神経分布、あるいは内膜肥厚を評価している。
目的1 周細胞(CapSCsを含む)Ninj1の血管成熟化作用の機序解明①Ninj1は、ECsとPCsとの相互作用を介して、安定血管構造を構築するか;Ninj1によるPC/EC接着に関与するXX接着因子について、その作用機序等の解析をすすめていく。 In vivo動脈硬化病態モデル組織での同因子の発現、局在についても解析していく。 ② 昨年に引き続き、In vitro毛細血管構築システムとマウス脊髄後根神経節(DRG)の共培養系システムをもちいて、血管神経伴走化の現象におよぼすCapSCのNinj1の役割解明の研究を進めていく。目的2 Ninj1のVV血管形成や血管リモデリングにおける役割Ninj1の障害血管外膜の微小血管形成や末梢神経再生への役割解明① NinjKOマウスでの大腿動脈障害モデルの症例を増やし、統計的解析をすすめていく。障害血管外膜部の微小血管や神経再生に関する定量的評価法については、世界的に確立したものはないが、妥当性のある評価法についても確立していく。② 血管リモデリング(内膜肥厚、プラーク形成)への影響。 NinjKOマウスでの大腿動脈障害モデルでの外膜部の微小血管形成や神経分布、あるいは内膜肥厚について、昨年にひきつづき、症例をふやし確認実験を行っていく。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
Arterioscler ThrombVasc Biol
巻: 38 ページ: 2358-2370
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