研究課題
1) 新規還元分子であるRSSのCOPD病態における役割の解明:RSSの生体内の主たる産生酵素を同定し、遺伝子欠損マウスを作成した。肺気腫モデルを用いた検討では、産生酵素遺伝子欠損マウスにおいて肺気腫が悪化することを確認した。種々の炎症性サイトカイン・ケモカインの産生量も遺伝子改変マウスで増悪した。これらの変化はRSS供与体の投与によって改善することも明らかになった。現在、英文誌に投稿準備中である。さらに喘息とCOPDの合併病態である喘息合併COPD(asthma COPD overlap: ACO)においても気道におけるRSSの産生量が低下していることを確認し、英文誌に報告した(Kyogoku Y, Sugiura H, et al. J Allergy Clin Immunol 2019)。2) 抗老化液性因子GDF11のCOPD病態における役割の解明:昨年の研究成果としてGDF11濃度は身体活動性の程度と有意に相関することも明らかにした(Tanaka R, Sugiura H, et al. Int J COPD 2018)。現在、これらの患者群を2年間前向きに観察し、身体活動性の経時的な変化とGDF11をはじめとする液性因子の経時的な変化の関連について検討を進めている。現時点でGDF11の経年低下と身体活動性の経年低下が有意に関連することを見出している。今後さらに前向きに検討を継続していく予定である。3) 細胞特異的な網羅的解析により抽出した新規転写因子LHX9 のCOPD病態における役割の解明:気道上皮細胞に対するタバコ煙曝露によってLHX9の発現が増強することをin vitroで確認した。現在、LHX9の細胞機能を検討している。LHX9がCOPD病態に関連するIL-8や種々のサイトカインの産生に関係するかについて検討している。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 10件、 招待講演 3件)
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