研究課題
内皮間葉転換(EndMT)は内皮細胞がその極性と細胞間接着を失い、その細胞骨格の劇的な変化を遂げるプロセスである。肺動脈性肺高血圧症(PAH)の発症および進展にはこのEndMTが関与している可能性が示唆されている。しかし生体内においてEndMTがどのような細胞特性を有しているかは不明である。そこでCdh5-Cre/Gt(ROSA)26Sortm4(ACTB-tdTomato,EGFP)Luo/J double transgenicマウス(GFPが血管内皮細胞において発現するマウス)にsugen5416+hypoxia(SuHx)を負荷してPAHマウスを作成した。SuHxマウスにおいて、CD144-でGFP+細胞(complete EndMT cells;cEndMT細胞)は、他の間葉系細胞と比較して、高い増殖能力と移動能力を有していた。CD144+でα-SMA+細胞(partial EndMT cells;pEndMT細胞)はendothelial progenitor cell markersを示した一方、cEndMT cellsはSca-1-richの間葉系細胞であり高い増殖能力と移動能力を有していた。pEndMT cellsを、平滑筋mediaを含むfibronectin-coated培養した結果、維持mediaで培養したcEndMT cellsと比較してα-SMAの発現を強く認めた。cEndMT cellsのconditioned mediumは、他の間葉系細胞のconditioned mediumと異なりparacrine effectsを有しており、間葉系細胞の増殖と移動能力を亢進させ血管形成能力も高く認めた。EndMT cellsは高い増殖能力・移動能力を有する平滑筋様細胞への転換能力を有するだけでなく、paracrine effectsにより血管内膜・中膜の増殖に関与することにより、肺動脈性肺高血圧症の病因に関与していることが示された。
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