研究課題/領域番号 |
17H04192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 一男 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70280873)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク / 脱髄疾患 / 自己抗体 / 自己免疫性脳炎 |
研究成果の概要 |
ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク(MOG)抗体陽性神経疾患において、1)日本と欧米例は年齢、性別、臨床型などの分布はほぼ同様だった。2)我々が発見したMOG抗体陽性大脳皮質脳炎は、一側大脳皮質にFLAIR高信号がみられてんかん発作を呈する型と両側前頭葉内側皮質病変による対麻痺を呈する型の2つがみられた。3)MOG抗体陽性脳生検例の病理学的解析で、小静脈周囲の脱髄が本疾患に特徴的で、MOGが他のミエリンタンパクに比べて優位に脱落していた。免疫細胞の浸潤はCD4有意だった。これらの所見は多発性硬化症やアクアポリン4抗体陽性視神経脊髄炎とも異なり、本疾患の独立性を示唆する知見である。
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自由記述の分野 |
神経免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク抗体陽性神経疾患(MOGAD)は、国際的に注目されている中枢神経の炎症性脱髄疾患である。本研究は日本人MOGAD症例の特徴を明らかにした。再発性MOGADの再発予防には免疫抑制治療が必要で、多発性硬化症(MS)の疾患修飾薬は無効である。本疾患の正確な診断が適切な治療選択に重要である。また2型のMOG抗体陽性大脳皮質脳炎は、我々が世界に先駆けて報告しその後次々に同様の症例が報告されている。その病態解明が今後必要である。またperivenous demyelinationは本疾患の独立性を支持する病理所見であり、最近Brain誌に報告し注目されている。
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