骨髄移植をはじめとする造血幹細胞移植は難治性の白血病など、血液がんや再生不良性貧血などに対する根治的治療法として普及している。しかし、その最重要の合併症である移植片対宿主病(GVHD)のより有効な治療法の開発によって、さらに移植の成績を向上させることができる。本研究では移植後の腸内細菌叢と移植成績の関連を検討した。その結果、移植後には腸内細菌叢の多様性が喪失し、特定の細菌種の増加がみられた。この変化は欧米人と日本人で同等であった。腸内細菌叢の変化が高度な例ではGVHDの重症化、死亡率の増加がみられた。腸内細菌叢を回復させることで移植成績の向上が期待できる。
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