研究課題/領域番号 |
17H04209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮崎 泰司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (40304943)
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研究分担者 |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / ゲノム / 原爆被爆者 |
研究成果の概要 |
原爆被爆者の骨髄異形成症候群(MDS)に対して次世代シーケンサを用いたゲノム解析を実施した。ゲノム変異数は既報の初発MDSのそれと大きな違いはなかったが、近距離被爆者では初発例に高頻度に見られるTET2遺伝子を含めたDNAメチル化経路遺伝子の変異が有意に少なかった。また、11番染色体上のATM遺伝子の欠失や変異が有意に増加していた。治療関連MDSで高頻度に見られるTP53、PPM1D変異の増加はなかった。
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自由記述の分野 |
血液内科学、造血器腫瘍学、放射線影響学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、原爆放射線によって誘発されたと考えられる骨髄異形成症候群(MDS)において、これまで報告されている初発MDSあるいは治療関連MDSとは異なる特徴を持つ細胞遺伝学的変異、およびゲノム変異の存在が示された。これは、加齢に伴うMDS発症(初発例)、化学療法/放射線治療によるMDS発症とは異なった経緯によって被爆者MDSが発症してきた可能性を示している。今後、さらに詳細なゲノム変異研究や症例の蓄積によってこれまで知られていなかったMDSの発症機構を明らかにできる可能性があり、悪性腫瘍の病態を考える上で有用な情報を提供できると考えられる。
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