本研究により、HIV-1のプロテアーゼ阻害剤 (PIs) にフッ素修飾を行う最適部位の特定と修飾に伴うメリットが明らかとなった。我々のグループが合成・開発した化合物群の活性及び薬物動態を解析、最適なフッ素原子導入部位を特定した。フッ素化により最適化されたPIsはフッ素化されていない化合物に比して (1) ハロゲン結合の形成による強力な阻害活性、(2) 優れた細胞内透過率、脳移行性を有していた。また、フッ素化されたPIsの内、aminoalkyl-tetrahydropyrano-tetrahydrofuran構造を持つ化合物が肝臓の代謝酵素により分解されにくい事を示した。
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