研究課題/領域番号 |
17H04226
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 昭彦 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30531389)
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研究分担者 |
渡邉 香奈子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80626094)
今井 千速 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90419284)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | パレコウイルス / 小児 / 治療 |
研究実績の概要 |
パレコウイルス-A3(Parechovirus-A3, PeV-A3)は、小児科領域で注目を集める新興感染症であり、新生児と早期乳児に敗血症、脳髄膜炎などの重症感染症をきたす。特に最近では、脳髄膜炎の患者に永続的な神経学的後遺症を高率に残すことが分かってきたため、注目を集める疾患である。しかしながら、現在、特異的な治療法がないのが診療を行う上で、大きな問題である。我々は、過去の臨床研究で、抗PeV-A3抗体がPeV-A3感染症の発症抑制に関わる可能性を示したが、それを受けて、本研究では、1)抗HPeV3モノクローナル抗体を作成し、PeV-A3に対する効果を検証すること、2)抗HPeV3効果が期待される抗微生物薬を用い、実験細胞におけるPeV-A3感染症への効果を抗HPeV3モノクローナル抗体との併用を含め、検証することを目的としている。 本年度は、1)、2)に関する研究を継続的に進めた。 1)においては、これまでの研究の成果である不死化したリンパ球の作成に成功した。これによって、抗体の永続的な産生が可能となる。今後、PeV-A3の抗体を高力価に持つヒト、あるいは、PeV-A3に感染した児からのリンパ球を集め、抗PeV-A3モノクローナル抗体の作成という研究の最終段階に入る予定である。 2)に関しては、用量依存性のPozaconazole、Itraconazoleによる抗ウイルス効果を確認した。 PeV-A3に対する特異的治療がない現在、これらの情報は、今度の治療薬の開発に向けて重要な情報となるであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であった不死化したリンパ球の作成に成功したこと、新しい薬剤の抗ウイルス効果を確認したことから、概ね順当と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、PeV-A3の抗体を持つヒトから、あるいは、PeV-A3に罹患した児のリンパ球を集め、抗PeV-A3モノクローナル抗体の作成を行う。また、その後、それを用い、Pozaconazole、Itraconazoleなどの抗ウイルス効果を示した薬剤と合わせ、実験細胞系で、その抗ウイルス効果を確認する。
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