今後の研究の推進方策 |
今回明らかにしたFOXO1のリン酸化亢進をもとにして、FOXO1で転写されるBim, FasL, TRAIL, BAD, p27Kip1, p130などの分子の発現をAPDS患者で解析し、これらの分子の発現異常により免疫担当細胞の異常増殖、アポトーシス亢進、成熟細胞への分化障害が起こり、その結果、免疫不全を発症することを確定する。 miR27a-3pのFOXO1以外の標的遺伝子の解析と、micro RNAの解析で特異的に高値を示したmiR23a-3p, miR744-5p, miR7114-5pの解析を行う。 以上の研究により、APDSにおける複合型免疫不全発症機序を解明する。 さらにAPDS治療法の開発を行う。APDSは造血幹細胞移植が必要になる重篤な免疫不全症であるが、移植の成功率は高くなく、新規治療法を開発する必要がある。病態から考えて、mTOR抑制剤、Rapamycin、AKTリン酸化阻害剤、PI3K阻害剤が効果があると考えられるため、in vitroで検討する。すなわち、患者Tリンパ球をin vitro で培養し、異常増殖、アポトーシス亢進、AKT/mTOR/S6のリン酸化亢進について、mTOR抑制剤、Rapamycin、AKTリン酸化阻害剤、PI3K阻害剤が抑制する事を指標にして、これらの薬剤の効果を検討する。
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