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2017 年度 実績報告書

新生児消化器疾患発症機序の分子生物学的解明に向けた解析ワークフローの確立

研究課題

研究課題/領域番号 17H04235
研究機関名古屋大学

研究代表者

田中 裕次郎  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90382928)

研究分担者 澤 新一郎  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80611756)
大島 一夫  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (20764880)
内田 広夫  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
田井中 貴久  名古屋大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30378195)
住田 亙  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70437044)
城田 千代栄  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20378194)
檜 顕成  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90383257)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード腸管リンパ球 / 一細胞遺伝子発現 / 自然リンパ球
研究実績の概要

ヒト新生児の壊死性腸炎(NEC)は小児外科領域における主要な新生児消化器疾患の一つであるが、その発症機序は明らかでない。一方、腸管上皮は腸内細菌と腸管免疫系の界面領域を形成し、腸内細菌由来菌体成分シグナルを受容するとともに抗菌分子の産生を行い、上皮下への腸管細菌の侵入を防ぎ、過剰な免疫応答を抑制する上皮バリアの維持は、腸炎の発症や慢性化を予防するうえで重要な生体機構であることが知られている。
本研究ではNEC患者および腸切除を必要とする新生児・乳児患者の腸管検体から免疫細胞を効率的かつ高生存率のもとに回収し、1細胞レベルにおける遺伝子情報、タンパク情報を集約的に解析後、個体レベルに統合させるワークフローの樹立を目指している。具体的には患者由来免疫細胞に発現する遺伝子プロファイルを1細胞レベルで解析し、NEC、限局性腸穿孔、小腸閉鎖等の新生児消化器疾患を横断的に検証することで、NEC発症に関わる特徴的な遺伝子の同定を試みる。
本年度はヒト新生児消化器疾患患者からの免疫細胞採取法の樹立に取り組み、ヒト腸管35例に対して、腸管リンパ球の採取を行った。採取した細胞に対してフローサイトメトリーを行って腸管リンパ球が効率よく採取できることを確認した。また、生後数か月までの早い段階のヒト腸管においては、マウスと同様に3型自然リンパ球が腸管リンパ球の内10%程度を占め、分布や腸管免疫における役割に関し、マウスと同様のことが言える可能性が示唆された。
また、NECを含む3例については、一細胞ごとにラベリングを行った上で網羅的解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

ヒト腸管リンパ球の解析を行い、生後数か月までの早い段階のヒト腸管においては、マウスと同様に3型自然リンパ球が腸管リンパ球の内10%程度を占めることを発見した。この腸管リンパ球の分布の年齢による変化についての解析は平成30年度に予定していたものである。

今後の研究の推進方策

腸管リンパ球の1細胞レベルの遺伝子発現プロファイルの取得を進める。また、遺伝子情報を統合的に解析するため、タカラバイオ(株)の解析チームに遺伝子情報の解析を委託し、リンパ球遺伝子発現プロファイルを主成分解析することで、各疾患または年齢特異的なリンパ球の機能的プロファイリングを行う。
また、CRISPR/Cas9システムを最大限活用し、「NEC特異的な発現パターンを持つ遺伝子群」の配列のフレームシフトや欠失を期待した遺伝子欠損マウスを作出し、NECに類似した腸炎を自然発症するマウスモデルを作成し、NEC病態に関わる分子群の同定を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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