研究課題
アトピー性皮膚炎の有病率は世界的規模で増加しており、その原因の1つとして大気汚染が示唆されている。大気汚染物質中には多環芳香族炭化水素が多量に含まれているが、多環芳香族炭化水素の受容体として働く受容体型転写因子Aryl hydrocarbon receptor (AhR)に着目した。表皮で恒常的にAhRが活性化したAhR-CAマウスでは、強い痒みと皮膚炎が生じ、アトピー性皮膚炎と同様の病態が形成されるので、AhR-CAマウスを用いて解析を進めた。マウスの皮膚から免疫細胞をsingle cellとして分離して解析するため、gentleMACSを用いてホモジナイズし、FACSを使いて解析を進めた。Th2リンパ球とともにgroup 2 innate lymphoid cellsが多数浸潤することが明らかになってきた。樹状細胞に関しては、Langerhans cellsは増えていないが、それ以外の樹状細胞では細胞数が増加していた。アレルギーに関連するサイトカインに関しても変動がみられた。また、従来の研究から表皮細胞でAhrが活性化すると神経伸長分子であるarteminが産生され、感覚神経が皮膚表面まで伸び痒み刺激に敏感になることが明らかになっていたが、さらに検証するため、Ahrが活性化する一方でarteminの転写を抑制することでその産生を抑制した。その結果、痒みに対する敏感な状態、alloknesisが消失した。ただし、痒みは乏しくなる一方、皮膚炎は残ることからAhrの活性化は異なるpathwayで皮膚炎を引き起こしていることが明らかになった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 3件)
J Dermatol
巻: - ページ: -
10.1111/1346-8138.15319
J Dermatol Sci
巻: 97 ページ: 172-178
10.1016/j.jdermsci.2020.01.001
Int J Mol Sci
巻: 21 ページ: 432
10.3390/ijms21020432
Acta Derm Venereol
巻: 100 ページ: -
10.2340/00015555-3394
巻: 47 ページ: e29-e30
10.1111/1346-8138.15135
巻: 46 ページ: 947-955
10.1111/1346-8138.15073
Mol Cell Biol
巻: 39 ページ: e00190-19
10.1128/MCB.00190-19
巻: 99 ページ: 1184-1185
10.2340/00015555-3279
巻: 94 ページ: 229-235
10.1016/j.jdermsci.2019.03.006
JAAD Case Reports
巻: 5 ページ: 458-460
10.1016/j.jdcr.2019.03.022
Eur J Dermatol
巻: 29 ページ: 331-332
10.1684/ejd.2019.3551
Mod Rheumatol
巻: 30 ページ: 155-165
10.1080/14397595.2019.1589739
JAMA Dermatol
巻: 155 ページ: 578-584
10.1001/jamadermatol.2018.5926
巻: 46 ページ: 361-363
10.1111/1346-8138.14796
巻: 46 ページ: e224-e225
10.1111/1346-8138.14757
巻: 46 ページ: e149-e151
10.1111/1346-8138.14716
日本皮膚科学会雑誌
巻: 129 ページ: 2675-2733
https://doi.org/10.14924/dermatol.129.2675
Skin Cancer
巻: 34 ページ: 10-16
https://doi.org/10.5227/skincancer.34.10