研究実績の概要 |
本年度は、健常者10名および精神病性障害患者10名より末梢血を採取し、interferon-gamma (IFNg), interleukin-1beta (IL1b), interleukin-2 (IL2), interleukin-6 (IL6), interleukin-10 (IL10), transforming growth factor-alpha (TGFa), tumor necrosis factor-alpha (TNFa)の血中濃度を計測した。男性:女性の割合は両群間に有意差は無かった(χ2=0.267, p=0.606)。年齢は健常者で33.4±9.4(平均±SD)、患者で35.8±14.7、肥満度(Body Mass Index)は健常者で23.2±3.9, 患者で24.0±5.2で、どれにも有意差は無かった(t<4.4, p>0.67)。一方、教育年数は健常者(16.4±1.3)のほうが患者(13.2±3.1)より有意に長かった(t=3.0,p=0.011)。血中濃度が検出限界以下だったのはIFNg:健常5名、患者2名、IL1b:健常1名、患者2名、IL2:健常9名、患者8名、IL6:健常5名、患者5名、IL10:健常4名、患者4名、TGFa:健常1名であった。全てのサイトカインで検出限界以下であった被験者の割合は健常者と患者で有意差は無かった(χ2 < 1.98, p>0.16)。IL2は以後の解析から除いた。患者1名は、IFNg, IL1b, TGFqについて平均値±2SDの範囲からの外れ値を取ったので、症例を以後の解析から除いた。測定結果(pg/mL)は、IFNg:健常者3.0±1.8, 患者3.0±2.8、IL1b:健常者1.6±1.9, 患者1.8±1.5、IL6:健常者103±83.4, 患者45.9±45.0、IL10:健常者2.2±2.4, 患者7.3±98.、TGFa:健常者1.1±0.7, 患者0.9±0.9、TNFa:健常者14.1±4.9, 患者16.5±5.0で、どのサイトカインも健常者と患者の間で有意差は無かった(t<1.3, p>0.24)。
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