研究課題/領域番号 |
17H04246
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
菊知 充 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00377384)
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研究分担者 |
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00210633)
齋藤 大輔 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (30390701)
吉村 優子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70597070)
池田 尊司 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (80552687)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 幼児 / 脳磁図 / 遺伝型 / 多様性 |
研究実績の概要 |
対象者の選定および同意の取得:研究対象として、定型発達者と、これまでに一般公募し我々の研究に参加しASDと診断された幼児、そして金沢大学付属病院神経科精神科あるいは子どものこころ診療科に受診したASD患者計45名(3~7歳前後)を当年度にリクルートして、検査を実施した。診断はDISCO(The Diagnostic Interview for Social and Communication Disorders), ADOS (Autism Diagnostic Observation Schedule)に基づいて行った。金沢大学医学倫理委員会の承認のもと、本人および保護者に研究の内容を文書にて十分に説明した後に、文書にて同意を得て実施した。認知機能の評価はK-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )を実施した。社会性の成長過程の行動評価として、分担研究者であるライセンス保持者である分担研究者が国際標準化された評価方法であるADOSをもちいた行動観察を行い確認した。また養育者による社会性の評価を日本語版Social Responsiveness Scale-2で実施することで、日常生活における社会性の評価を行った。多動性については、ADHD Rating Scale-IVおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて反抗や反社会的行動などの行為面、集中力の欠如や多動性などの多動と不注意の問題を評価した。 MEGを用いて、身体の運動時に生じる、興奮・抑制系バランス(GABA系)を反映するGamma band oscillationを測定し、脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価した。幼児からストレスなく遺伝子サンプルを抽出するために、綿棒で頬粘膜を擦過して細胞を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね目標通りの被験者数にて研究を実施できた。つまり定型発達者と、ASDと診断された幼児計45名(3~7歳前後)を初年度にリクルートして、検査を実施した。金沢大学医学倫理委員会の承認のもと、本人および保護者に研究の内容を文書にて十分に説明した後に、文書にて同意を得て実施した。そして下記のように、社会性、認知機能、脳機能、遺伝子型についてのデータ収集を実施できている。社会性の成長過程の行動評価として、ADOSをもちいて行動観察を行い確認した。また養育者による社会性の評価を日本語版Social Responsiveness Scale-2で実施することで、日常生活における社会性の評価を行った。多動性については、ADHD Rating Scale-IVおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて反抗や反社会的行動などの行為面、集中力の欠如や多動性などの多動と不注意の問題を評価した。認知機能の評価はK-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )を実施した。MEGを用いて、身体の運動時に生じる、興奮・抑制系バランス(GABA系)を反映するGamma band oscillationを測定し、運動にかかわる脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価した。脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価した。幼児からストレスなく遺伝子サンプルを抽出するために、綿棒で頬粘膜を擦過して細胞を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度も同様に、分析に必要なサンプルを増やす。つまり定型発達者と、ASDと診断された幼児計40名(3~7歳前後)を初年度にリクルートして、データ収集 を続ける。ひきつづき下記のように、社会性、認知機能、脳機能、遺伝子型についてのデータ収集を実施する。 社会性の成長過程の行動評価として、ADOSをもちいて行動観察を行い確認する。また養育者による社会性の評価を日本語版Social Responsiveness Scale-2で実施することで、日常生活における社会性の評価を行う。多動性については、ADHD Rating Scale-IVおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて反抗や反社会的行動などの行為面、集中力の欠如や多動性などの多動と不注意の問題を評価する。認知機能の評価はK-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )を実施する。MEGを用いてこれまでに評価してきた、運動系、聴覚系、視覚系についての脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価する。さらに、脳内ネットワークをグラフ解析をもちいて、数値化する。幼児からストレスなく遺伝子サンプルを抽出するために、綿棒で頬粘膜を擦過して細胞を得て、DNAを増幅し、解析を進める。得られた所見を、国際論文として発表する。
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