研究課題
アルツハイマー病(AD)の脳内でミクログリア活性が生じていることを見いだしてきたが、ミクログリア機能的極性には傷害性(M1)/保護性(M2)があり、M2に関わる2型カンナビノイド受容体(CB2)トレーサーでin vivoで可視化してきた。その環境下で神経生存やシナプス変化の研究としてアミロイド蓄積マウスとサルで検討した。以前我々は予備的にMC-1に特異的に結合する[11C]BCPP-FEを用いて神経細胞活性を評価できることを確認した。MC-1活性を定量的に評価するためにマウスの尾静脈からトレーサー静注後のダイナミック撮像を行い、2コンパートメントモデルを応用し、推定動脈inputカーブから得られた分布容積画像(Vt)あるいは標準化取り込み(SUV)画像を作成した。ミトコンドリア活性を測定する際にATP合成ではMC-1は律速段階酵素に当たり、その活性を調べることで電子伝達系機能すなわちミトコンドリア活性を評価ができる。MC-Vに関するトレーサー開発では特異トレーサーの合成が不十分でin vivo画像化はできなかった。そこでMC-V トレーサーを用いてM2神経炎症におけるMC-1活性を調べて、神経生存とM2神経炎症との関係を検討した。その結果、M2活性下ではミトコンドリア活性の上昇があり神経生存にプラスに働くことが考えられた。シナプス生存に関わる検討ではSV2Aというシナプス終末に存在する蛋白に標識できるトレーサーの合成が年度内に終了したが、in vivoでの応用には間に合わなかった。そのため、M1/M2状態でのシナプスへの影響に関しては次年度の研究に持ち越された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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