研究課題/領域番号 |
17H04248
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮田 淳 京都大学, 医学研究科, 講師 (90549099)
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研究分担者 |
岡田 知久 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30321607)
林 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, チームリーダー (50372115)
小村 豊 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (80357029)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 妄想 / 統合失調症 / Salience / Confidence / Maintenance / 結合性 |
研究実績の概要 |
本研究では妄想を呈する疾患を対象とし、妄想をSalience、Confidence、Maintenanceの3因子モデルでとらえ、拡散MRI・心理課題を用いたfMRI・および安静時fMRIを施行し、次世代構造的・機能的結合性解析を通じて妄想の神経基盤を明らかにすることを目的としている。 平成29年度は精神病の発症高リスク群、初発群、慢性統合失調症群を対象として、安静時fMRIの独立成分分析による機能的結合性解析を行い、基底核ネットワークと側頭葉内側ネットワークからなるドーパミン作動性の異常Salienceと、島皮質と前部帯状回からなるSalience networkとの間の結合性が健常者に比べ患者群で低下または上昇しており、それが幻聴・妄想などの症状と関連していることを明らかにした(Society for Neuroscience 2017にて発表)。また拡散MRIを用いた次世代構造的結合性解析であるFixel-based analysisにより、統合失調症における脳梁の白質統合性の異常を明らかにした(論文準備中)。またNeurite Orientation Dispersion and Density Imagingの予備的解析を進めており、健常者において先行研究で示された年齢と拡散指標との間の関連を再現した。またHuman Connectome Projectのパイプラインによるコネクトーム解析のデータベース作成は順調に進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要で述べたとおり、安静時fMRIの機能的結合性解析および拡散MRIの次世代構造的結合性解析は、既に論文投稿中および論文準備中であり、予定よりも進んでいる。またHuman Connectome Projectのパイプラインによるコネクトーム解析は順調にデータ蓄積を進めており、すでに健常者50名、患者25名のデータを蓄積している。一方Salience、Confidence、Meintenanceに関わるfMRI用認知課題の作成および実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
コネクトーム解析については今後もデータ蓄積を進め、データ解析を始める。平成30年度は認知課題を用いたfMRI研究に注力し、データ解析を進める。
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