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2017 年度 実績報告書

統合失調症と関連・因果関係のある要因の同定ー遺伝子関連・遺伝的相関・因果関係解析

研究課題

研究課題/領域番号 17H04251
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

池田 匡志  藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60424933)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード精神科遺伝学
研究実績の概要

全ゲノム関連解析(GWAS)は統合失調症感受性遺伝子の解明に成功しつつあり、画期的な証左を創出している。しかし、既報の有意領域は、“リスク”としての関連性は「確実」であるが、因果関係にまで言及していない。本研究では、現在実施中の日本人統合失調症GWAS データ(計9000 人)を基盤とし、(1)そのトップヒットの追試を行うことで、日本人における統合失調症のリスクを同定する。また、量的形質GWAS データ(身体的形質や様々な血中濃度と関連するSNP 同定を志向したGWAS)を利用し、統合失調症との(2)遺伝的相関、(3)探索的な遺伝統計学的因果律の同定を目指したメンデリアンランダム化解析を実施し、候補となりうる「統合失調症と因果関係にある」未知の分子・パスウェイ同定を目指した解析を行っている。
(1)においては、統合失調症GWASでのトップヒットの追試を独立したサンプルで行った。約300個のSNPのタイピングを4000名の統合失調症ケースで行い、他の解析で用いられた対照者の遺伝子型の頻度との比較を行うことで、関連性を検討した上で、メタ解析を実施した。その結果、3個の遺伝子多型がゲノムワイド有意水準を下回る関連性を認めた。
(2)幾つかの身体的形質と、統合失調症の遺伝学的相関を検討した。そのうち、体型の指標であるBody Mass Index (BMI)との相関が有意なものとして同定された。すなわち、低いBMIが統合失調症のリスクと関係することが判明した。
(3)しかし、その遺伝的因果関係は、メンデリアンランダム化解析においては、統計的有意な因果関係は認めなかった。
今後も、同定しているトップヒット遺伝子多型について、追試、絞り込みを実施するとともに、様々な量的形質との遺伝的相関・因果関係解析を推進していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

追試研究を一部完了し、また、遺伝的相関解析なども順調に進展さえ、論文化も行っている。

今後の研究の推進方策

今後、白人データや、中国人データなどと比較し、民族差の検討を加えることで、有意な関連領域の絞り込みが可能かどうか検討する(他の民族の結果を結合すると、その連鎖不平衡の違いから、真の疾患感受性領域を絞り込む可能性が期待される)。
また、その他様々な身体的形質との遺伝的相関、因果関係解析を実施し、BMIのような「意外な」関連性の有無を検討していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Genome-wide association studies of bipolar disorder: A systematic review of recent findings and their clinical implications2018

    • 著者名/発表者名
      Ikeda M, Saito T, Kondo K, Iwata, N.
    • 雑誌名

      Psychiatry Clin Neurosci

      巻: 72 ページ: 52-63

    • DOI

      10.1111/pcn.12611

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Re-evaluating classical body type theories: genetic correlation between psychiatric disorders and body mass index2018

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Masashi、Tanaka Satoshi、Saito Takeo、Ozaki Norio、Kamatani Yoichiro、Iwata Nakao
    • 雑誌名

      Psychological Medicine

      巻: in press ページ: 1~4

    • DOI

      10.1017/S0033291718000685

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] SNP/CNV 一塩基多型・コピー数変異2017

    • 著者名/発表者名
      池田匡志
    • 学会等名
      日本精神神経学会
  • [学会発表] 若手研究者育成プログラム2017

    • 著者名/発表者名
      池田匡志
    • 学会等名
      日本生物学的精神医学会

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公開日: 2018-12-17  

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